忍者・手裏剣について

忍者・手裏剣についての解説!

棒手裏剣というのは 殺傷力ないのですか?

 

 

Q棒手裏剣というのは 殺傷力ないのですか?

 

A.手裏剣の殺傷力について

記録では、甲野善紀師範の師/根岸流四代宗家 前田勇先生が、第二次世界大戦中に、白兵戦の際、確か塹壕に守備していた時、来襲してきた敵に手裏剣で応戦し、その後敵を撃退した事が、当時としては珍しくかつ、日本のナショナリズムに掛る所があったらしく、新聞に載ったとの事でした。
しかし、手裏剣で殺したわけでは無かったようです。

銃や弓と比べて、威力も距離も劣ります。
唯一勝っているのは、銃弾や鏃(ヤジリ)よりも手裏剣の方が大きいぐらいでしょうか。
甲冑相手では、殆ど使えないと思います。
また、もしも甲冑無しの戦闘があり、乱戦であれば 結構遣えたかも知れませんが、そんな機会は 物語の幕末の京都ぐらいでしょうか。

 

 


武士が一対一の時も、実際に使うと、卑怯と捉えられかねないですよね。
そう考えると、余り使うチャンスがない武術ではないかと思います。
実際に使ったケースは、
① チャンスを見て補助的に使う。
② 長距離移動中の食用(狩り)としてウサギや小動物を狩る為に使う。
ぐらいではなかったのかと想像します。

結果、やはり手裏剣だけでは、傷は負わせられますが、それ以上は条件次第という事だと思います。

以下は棒状手裏剣のスペックです。

形状と重さについて
棒手裏剣と言われるものの多くは、釘や針状の物で、長さ15cm前後から、長い物で30cmぐらいまで(30cmでは手裏に入りませんが)。
重さは50g前後から200g前後までが主な所だと思います。
(200gもあれば、頭骨にも刺さりますね)


飛距離と精度について
形状から、回転を抑えて(45°回転して当たります)飛ばす事に難しさがあり、
命中させられる精度は、三間(5.4m)が限界とされ、距離別に打剣を作る
根岸流の長距離用で五間(9m)と言われています。

中国の鏢(ひょう)には、ダーツの矢の代わりの凧の足に当たるバランサー用の布を付ける物がありますが、あれだともっと風の抵抗で、距離も精度も落ちるような気もします。(筒にいれて投げると距離は出ますけど、それなら弩の方が・・)

手裏剣の歴史は、わかってる範囲では割と新しく、手裏剣術の精華とされる
根岸流にあっては江戸末期で、銃や弓との関係を考えて、どう使われたかを考える必要があると思います。
(古くは上遠野流、白井流(すみません訂正しました)、その他は手裏剣術を含む武術諸流派がありますが、表芸でとは言えないと思います。)

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